北海道千歳リハビリテーション大学からのお知らせ
2020.04.14
小林匠教授の論文が国際誌「Surgical and Radiologic Anatomy」に掲載されました
理学療法学専攻 小林 匠教授の論文が、国際誌「Surgical and Radiologic Anatomy」に掲載されました。
【掲載雑誌】
Surgical and Radiologic Anatomy
【タイトル】
Morphological characteristics of the lateral ankle ligament complex
【概要】
本研究では,前距腓靭帯(ATFL),踵腓靱帯(CFL),後距腓靭帯(PTFL)の形態学的特徴と関連性の解明を目的として,解剖実習用遺体152体152足を対象に研究を行いました。ATFLの線維束数(1・2・3本)で各靱帯の長さ・幅を比較するとともに,脛骨長に対する各靱帯の線維束長・幅の割合を算出し,靱帯間の相関を調査しました。その結果,Type I(ATFL 1本)は66足,Type II(ATFL 2本)は83足,Type III(ATFL 3本)は3足であり,ATFLのType II・IIIの下部線維はType Iよりも有意に短く,Type II・IIIの各線維はType Iよりも有意に細い結果でした。一方,CFL・PTFLの線維束長・幅はタイプ間で有意差を認められませんでした。また,ATFL・CFL・PTFLは外果前端および下端にて相互に連絡していましたが,脛骨長に対する線維束長・幅の割合は,靱帯間で有意な相関を認められませんでした。以上より,各靱帯の線維束数や形態は,その他の靱帯の形態に及ぼす影響は少ないと考えられました。
【小林匠教授のコメント】
本研究によって,足関節捻挫で損傷しやすい靱帯の構造と関連性が解明されました。今後も研究を積み重ねることで,足関節捻挫の病態解明に貢献していきたいと思います。
【論文情報】
Kobayashi T, Suzuki D, Kondo Y, Tokita R, Katayose M, Matsumura H, Fujimiya M; Morphological characteristics of the lateral ankle ligament complex. Surg Radiol Anat, 2020.
doi: 10.1007/s00276-020-02461-3
掲載誌のURLはこちら