千歳リハ大 健康コラム

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2018.03.29 更新

自然と健康について

まもなく新年度。みなさん忙しい日々を過ごしていると思います。
私たち千歳リハ大の教職員もそうですが、毎日バタバタと忙しく働き、通勤時間も長く帰宅後はぐったり、気がつけば週末。休みの日は遅く起きて普段の睡眠不足を解消した後も、家でゆっくり過ごして翌週の仕事に向けてリフレッシュ・・・という方も多いのではないでしょうか。
しかし、季節はまもなく春。やっと雪から解放され北海道で一番輝く季節を迎えようとしています。長い冬は外出も憂うつでしたが、日射しも暖かくなり、春の自然を探しに外に出かける方も多いと思います。
そこで、自然と健康に関することをいくつか調べてみました。
自然と健康についての研究
古くから自然は身体的および精神的な健康に役立つとされてきました。
天気の良い日に森や海岸など自然と触れあえる場所に行って過ごすとリラックスでき、気持ちが良くなることは、誰もが経験していると思います。理由は良くわからないものの特別なエネルギーを受けたかのように、自然に惹かれる。自然は健康に良い・・・。
経験上、自然が健康に良いことは何となくわかっていますが、科学的にみて、どのような効果があるのでしょうか。近年、研究で様々なことがわかってきました。

身近な実験では、講義カリキュラムの一環として大学生に野外活動を体験させたところ、活動体験前よりも陰性気分を低下させ、陽性気分を上昇させる結果が得られ、野外活動は気分改善に効果的であることが示唆された〔杉浦、(2008)〕という報告があります。

また、日本各地の35か所の森林で420名を対象に行った大規模な実験では、森林の中で30分過ごした被験者はコルチゾールのレベルが下がっただけでなく、血圧、心拍数、ストレスに対する過剰な神経反応が低下したという結果が報告されています。この実験では、参加した被験者の半数以上の免疫力が増加し、神経の一部がリラックスしていることも確認されたようです〔Bum-Jin Park、(2013)〕

本格的なアウトドアでなくても
自然との触れ合いを考えるとき、登山やキャンプなどの本格的なアクティビティを想像する方もいらっしゃるかもしれませんが、もう少し身近なところから始めても健康への効果はあるようです。
たとえば、日本の代表的な都市緑地である新宿御苑での歩行と、新宿駅周辺での歩行での生理的影響を調べた研究では、新宿御苑での歩行は新宿駅周辺に比べ副交感神経活動(心拍変 動性)が有意に高く、心拍数は有意に低下することが明らかになりました。〔松葉、(2011)〕
このように、新しい研究では、自然の中にいると実際に免疫機能が大きく高まり、その結果として、身体的および精神的な健康に役立つと発見されました。
暖かな春、少し自然に触れてみませんか
現代の都市生活はインドアでの活動がどうしても多くなり、これがストレスの一つとなり人間の免疫システムや神経に悪影響を与えます。休日に家で過ごすのも休息のようにも思えますが、実はそうではありません。

春のこの季節、家から出て少しでも自然のある場所を探してみてください。きっと今までとは違う休日になると思います。
自然から真の意味での休息を得る習慣ができるといいですね。

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