千歳リハ大 健康コラム

エントリー

2017.08.25 更新

週末の「寝だめ」は月曜日の不調につながりますのでご注意を

一週間の始まりの月曜日。前向きな方なら、新たな週のスタートとして新鮮な気持ちで迎えているかと思います。しかし、「ブルーマンデー」という一般用語があるように、人によっては月曜日がゆううつに感じられることもあるようです。
この月曜日のゆううつについては、メンタルヘルスの点からもいくつかの見解がありますが、今回は「睡眠」を切り口にお伝えします。
睡眠時間が6時間未満の方が増加
平成28年11月に公開された厚労省の『平成27年「国民健康・栄養調査」』によると、1日の平均睡眠時間が6時間未満の方の割合が約4割であること、ここ数年でその割合が増加していることが指摘されています。
睡眠のよしあしを時間だけで単純に語ることはできませんが、概ね6時間未満が睡眠不足の指標とされており、厚労省の調査でもそのような区分で分析されています。
睡眠時間の確保を妨げる要因とは
では、睡眠時間の確保を妨げる要因にはどのようなものがあるでしょう。
同調査では、20歳代男女で就寝前の携帯電話やメール、ゲームへの熱中、30歳代以降の男性では「仕事」「健康状態」、30歳代女性では「育児」、40歳代以降の女性では「家事」「仕事」「健康状態」という順になっています。
「仕事」が睡眠の確保の妨げになる要因として比較的上位にあることから、週末などの休日にいわゆる「寝だめ」をしている方も多いのではないでしょうか。
せっかくの日曜日、十分睡眠を堪能しようと遅くまで寝て過ごすことはさして珍しいことでもなく、心情としては分からないわけではありません。
しかし、睡眠の研究ではいわゆる「寝だめ」ができないことと、週末や休日の過剰な睡眠は翌日からの生活リズムの悪化につながることが指摘されております。
体内時計と生活リズムを整えるために
生活リズムは、朝、起床後に十分な光刺激を受けて体内時計のリズムをリセットすることにより整います。そして、眠気は、その日の体内時計のリセットから15〜16時間後に訪れます。
ところが、日曜日に朝寝坊・遅起きをすることにより、体内時計のリセットのタイミングが遅くなってしまいます。その時点では満足するかもしれませんが、結果的に夜の就床時間を遅らせる要因となるのです。しかし月曜日の起床時間は変わりませんので、ことによると月曜日の朝に無理に起床を迫られることになり、朝から休息が十分でないと感じたまま週の始まりとなります。これは大変残念なことです。
週の初めの月曜日に目覚めのよい朝を迎えるには、日曜日といえども平日通りかそれに準じる時間に起床し、太陽の光を浴び、その夜は眠気に応じて就床できるように生活を整えることがよいようです。また、その前日の土曜日にも、宴など夜遅くなるような魅力的なお誘いにも注意が必要かもしれません。休日の過ごし方も難しいものです。

 

参考文献

平成27年「国民健康・栄養調査」の結果
(厚生労働省 URL: http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000142359.html 2016年11月14日)

睡眠障害の対応と治療ガイドライン 第2版(内山真編 株式会社じほう 2013)

キーワード

新着記事

教員

テーマ

アーカイブ

PICK UPPICK UP
  • 受験リハ大受験生サイト
  • WEBOC
  • デジタルパンフレット
  • 学びの特色
  • 作業療法士
  • こどもカフェ
  • 健康増進教室
  • 卒後教育
  • 北海道千歳リハビリテーション科学学会
  • 求人募集
  • ボランティア被験者募集
  • 淳心学園ご寄付ページ