北海道千歳リハビリテーション大学からのお知らせ
小林匠教授の論文が国際誌「Journal of Medical Ultrasonics」に掲載されました
理学療法学専攻 小林 匠教授の論文が、国際誌「Journal of Medical Ultrasonics」に掲載されました。
【掲載雑誌】
Journal of Medical Ultrasonics
【タイトル】
Characteristics of the static muscle stiffness of ankle plantar flexors in individuals with chronic ankle instability
【概要】
本研究は,足関節捻挫を繰り返す慢性足関節不安定症(chronic ankle instability; CAI)患者において,足関節底屈筋のスティフネスが背屈可動域制限に関与しているかを明らかにすることを目的として実施しました。
足関節捻挫の既往のない健常群10名,捻挫既往があるものの症状を呈していないcoper群10名,捻挫既往があり症状を認めるCAI群10名を対象に足関節背屈可動域を測定した後,足関節を他動的に背屈した際の腓腹筋内側頭・腓腹筋外側頭・ヒラメ筋・長腓骨筋の筋弾性率を超音波せん断波エラストグラフィ装置にて計測を行いました(写真1)。
その結果,CAI群では荷重位の足関節背屈可動域が有意に低下していましたが,4つの筋の弾性率には3群間で有意差を認めませんでした。本研究の結果より,CAI患者における荷重位足関節背屈可動域制限は,足関節底屈筋のスティフネス以外の要因による影響が大きい可能性が考えられました。
【小林匠教授のコメント】
本研究は,日本学術振興会の科学研究費助成事業(課題番号 19K19916)の一環として実施されました。
また,一部は本ゼミ第1期生の木浪 啓太(さっぽろ西野二股整形外科),高橋 鮎佳(富田病院),谷口 小夏(釧路三慈会病院)の卒業研究として行いました(写真2)。
本研究の結果は,足関節捻挫後に観察される背屈可動域制限の原因解明の一助になると考えられます。
【論文情報】
Kobayashi T, Kodesyo T, Kinami K, Takahashi A, Taniguchi K, Taniguchi K; Characteristics of the static muscle stiffness of ankle plantar flexors in individuals with chronic ankle instability.
J Med Ultrason (2001), 2023.
doi: 10.1007/s10396-023-01360-5
【論文URL】
https://link.springer.com/article/10.1007/s10396-023-01360-5