北海道千歳リハビリテーション大学からのお知らせ
小林匠教授の論文が国際誌「Journal of Sport Rehabilitation」に掲載されました
理学療法学専攻 小林 匠教授の論文が、国際誌「Journal of Sport Rehabilitation」に掲載されました。
【掲載雑誌】
Journal of Sport Rehabilitation
【タイトル】
The reliability and validity of a novel ankle isometric plantar flexion strength test
【概要】
本研究は,新たに考案した足関節底屈筋力検査法(plantar flexion break test; PFBT,写真1)の再現性と妥当性を明らかにすることを目的としました。
テストの再現性は,整形外科疾患を有する患者57名100足と健常者30名30足を対象とした2つの実験から検討しました。その結果,検者内信頼性は高く,検者間信頼性は中等度でした。
次に健常者30名30足を対象にPFBTの陽性・陰性の二群間で足関節底屈0・15・30度における膝屈曲位・伸展位での等尺性足関節底屈トルクを比較して,テストの妥当性を検証しました。その結果,PFBT陽性群はPFBT陰性群と比較して足関節底屈トルクが有意に低く,膝関節伸展位での足関節底屈30度における足関節底屈トルクは90%の精度でPFBTの結果を予測することがわかりました。
本研究の結果から,今回新たに考案したPFBTは臨床場面において非常に簡便で妥当性の高い等尺性足関節底屈トルクの測定方法であると考えられました。
【小林匠教授のコメント】
本研究の一部は,副島整形外科(佐賀県)との共同研究として行われました。
また,一部は本ゼミ第1期生の今 花夏(横浜市スポーツ医科学センター),笠谷 美空(ながさわ整形外科),宮部 将伍(釧路三慈会病院)の卒業研究として行いました(写真2)。
足関節底屈筋力の低下はさまざまな下肢外傷・障害との関係が示唆されており,簡便に実施可能なPFBTは,今後多くの臨床・スポーツ現場での利用が期待されます。
【論文情報】
Kobayashi T, Mizota T, Kon K, Kasaya M, Miyabe S, Shindome T, Ishibashi K; The reliability and validity of a novel ankle isometric plantar flexion strength test. J Sport Rehab, in press, 2022.
doi: 10.1123/jsr.2021-0192
【論文URL】