北海道千歳リハビリテーション大学からのお知らせ
小林匠教授の論文が国際誌「Gait & Posture」に掲載されました
理学療法学専攻 小林 匠教授の論文が、国際誌「Gait & Posture」に掲載されました。
【掲載雑誌】
Gait & Posture
【タイトル】
Morphological and mechanical characteristics of the intrinsic and extrinsic foot muscles under loading in individuals with flat feet
【概要】
本研究は,扁平足者の荷重に伴う足部内在筋・外在筋の形態的・力学的変化の特徴を明らかにすることを目的として2つの実験を実施しました。
実験1では健常足10足と扁平足11足を対象に,長腓骨筋・短腓骨筋・長趾屈筋・長母趾屈筋・後脛骨筋を対象部位としました。実験2では健常足14足と扁平足13足を対象に,母趾外転筋,短趾屈筋,足底方形筋,足底腱膜を対象部位としました。どちらの実験も体重の10%・50%・90%荷重における筋断面積と足底腱膜厚,弾性率の変化を超音波エラストグラフィにて測定し,各荷重条件および群間で比較しました(写真1)。
その結果,すべての荷重条件下で,短腓骨筋の断面積が扁平足群で大きく,扁平足群の足部内在筋群の断面積と足底腱膜厚は荷重の増加とともに減少しました。また,90%荷重条件における長趾屈筋と母趾外転筋の弾性率は,扁平足群で有意に高い結果が得られました。また,柔軟性の高い扁平足では,荷重に伴う足底腱膜厚の減少が大きく,弾性率の増加が小さい傾向を認めました。
以上より,扁平足では荷重の増加に伴い足部内在筋と足底腱膜の過剰な伸長が起こり,これを代償するために長趾屈筋の過剰収縮が生じている可能性が示唆されました。
【小林匠教授のコメント】
本研究は,2019年度ミズノスポーツ振興財団の研究助成金を得て実施されました。
また,研究の一部は本ゼミ第1期生の大槻 凌(札幌円山整形外科病院),小野寺 珠里(整形外科北新病院)の卒業研究として行いました(写真2)。
本研究の結果は,扁平足患者における効果的な理学療法の一助になると考えられます。
【論文情報】
Kobayashi T, Hirota K, Otsuki R, Onodera J, Kodesyo T, Taniguchi K; Morphological and mechanical characteristics of the intrinsic and extrinsic foot muscles under loading in individuals with flat feet.
Gait Posture, 2023.
doi: 10.1016/j.gaitpost.2023.11.001
【論文URL】
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0966636223014819?dgcid=author